Q9.
気管支鏡を行いましたが診断がつかなかったため、
経過観察をしましょうといわれました。
腫瘤があるにもかかわらず放置しておいてよいのでしょうか?
A.
指摘された肺野の陰影に対しては、
CTやPET検査を用いて腫瘤の質的な診断を行います。
これらの結果は強く肺癌を疑う場合から、良性と考えられる場合まであります。
最終的には腫瘤の一部分を採取して
病理検査を行わなければ確定診断はつきません。
気管支鏡やCTガイド下肺針生検を行った場合でも確実に診断が得られる可能性が低い場合、
検査に伴う合併症が危惧される場合にはこれらの検査は行われません。
また胸腔鏡下生検は安全な手術とはいえ、体にとっては負担となります。
ですから発見された全ての腫瘤に対して行われるわけではありません。
通常、胸腔鏡下生検は肺癌が強く疑われる場合に適応となります。
しかし肺の奥深い場所に存在する場合、部分切除は困難です。
このため胸腔鏡下生検はメリットとデメリットとを比較してよりメリットの大きい場合にのみ施行されます。
肺癌の可能性が低いと考えられる場合、胸腔鏡下生検が困難な場合には
経過観察が行われる場合があります(17頁参照)。
経過観察が行われた際、経過中に陰影の増大が見られた場合は肺癌が疑われます。
ただし経過観察が行われた場合でも、始めの段階で強く肺癌を疑うことは困難であったということをご理解ください。
経過観察にあたっては検査と経過観察のメリットとデメリットを十分に理解される事が大事です。
ご不明な点は担当医にお問い合わせください。
肺癌が疑われたら